本文へジャンプ

研究科長メッセージ

 ホーム研究科概要 > 研究科長メッセージ

金沢大学大学院自然科学研究科を志望される皆さんへ

 金沢大学大学院自然科学研究科は、理工学域の各学類に対応した6つの専攻からなっており、博士前期課程(標準2年間)では修士の学位、その後の博士後期課程(標準3年間)では博士の学位が授与されます。

 現代の科学・技術は高度に発達しており、大学の4年間の課程だけでは、それぞれの分野の最先端の研究や実践に深く触れることは非常に困難です。そのため、理工学域の各分野では、十分に専門的な学識を身につけ、研究経験も積んだ博士前期課程修了者の活躍が社会から要請されています。更に、企業や研究機関、高等教育機関での先端的な研究や高度な教育に従事するためには、世界をリードする高い研究力と国際的な活動力を持った科学者・技術者が求められており、博士後期課程を修了して博士の学位を持つ人材の活躍がますます期待されています。

 このような高度な人材は、課題を発見し、解決の方向を見いだし、具体的な研究を進めていくことのできる自立した科学者、技術者であり、そのように成長された皆さんが、学問の基礎的な課題から、現実に襲いかかる全地球的な問題までにひるむことなく挑戦することこそが、人類の未来を明るくする唯一の手段でしょう。特に、課題が困難であるほど、より複雑でいろいろな要素が絡み合っていますので、個々の科学者・技術者が広い視野を持っていることに加えて、既存の分野の壁にとらわれないアプローチや共同研究が重要になります。自然科学研究科には、基礎科学の各分野から実践的な応用分野までをカバーする多くの研究グループがあり、日常的な研究交流はもちろん、留学生を含めた国際交流、文化交流も活発に行われており、この環境のもとでの皆さんの前向きの努力は、必ず将来の大きな力の源になるはずです。

 自然科学研究科の研究者たちは、皆さんをぜひ同僚として迎え入れたいと考えています。入学される皆さんは、もはや単に教育される学生としてではなく、私たちのソサエティ、科学と技術のソサエティの新しいメンバーに他なりません。つまり、皆さんは、私たちの同僚・仲間であり、互いに切磋琢磨する私たちの共同研究者となられるわけです。

 このような後継者の迎え入れ方はLPPと言われています。Legitimated Peripheral Participation の頭文字で、合法的周辺参加とも訳されます。Legitimatedなので、皆さんはオープンキャンパスで見学にやってくる一般市民ではなく、ソサエティのメンバーとして本質的に対等な権利と責任、義務を有する、ということを意味しています。ただし、Peripheral から入ります。これは、階層的な世界の一番下層という意味にもなりますが、決して、低いレベルのメンバー、使いっ走り、という意味ではありません。皆さんは、あくまで対等なメンバーです。年齢や経験、ポジションの違いで役割が異ならざるを得ないだけです。ぜひ、対等に、自立的に、研究グループの運営や研究の方向性、次の教授は誰がいいとか、コーヒーのおいしい入れ方とか、何でも議論に参加し、実践して下さい。そして、責任も分担して下さい。

 このLPPは科学社会や大学に特徴的な方法で、科学社会の刷新や改革にも有効です。また、研究上の新しいアイデアは、皆さんの、科学社会としては生まれたての赤ん坊のように予断も偏見ものない透明な直観の中にこそ、その種が存在することもまた確かです。これらの意味でも、私たちは新しく参加される皆さんの活躍におおいに期待しています。

 これまで金沢大学はグローバルをキーワードに努力を積み上げて来ました。そして平成26年度に文部科学省が選定するSuper Global University (SGU) と呼ばれる37校の一つに選ばれました。従って、私たちは、Super Global を目指すのですが、Global とは何を意味するのか、どのようにすればGlobal なのか、具体的にどのような計画と手順が有効なのか、は決して自明ではなく、全てが新しい挑戦です。この挑戦を実りあるものにするには、皆さんと私たち全員の真剣な協力共同が必須です。

 金沢大学大学院自然科学研究科は、覇気あふれる皆さんを迎え入れ、共に学び研究し、科学・技術の分野で活躍される高度な人材として社会に送り出すために全力を尽くします。

自然科学研究科長
上杉 喜彦