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先端的研究

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金沢大学先端科学・イノベーション推進機構「環日本海域に見る土地・海・風の環」

環日本海域環境研究センター 松木 篤


能登の珠洲市では,気球に様々な採集
装置を載せて,アジア大陸からやってく
る黄砂バイオエアロゾルを直接採集する
観測が始まりました。

 日本海を取り巻く地域は,日本海を流れる海流や日本海の上空の偏西風のもたらす環境に大きく依存しながら発展してきました。この偏西風と海流によって,日本列島は世界でもまれに見る水の豊かな地域となり,様々な産業がこの恩恵のもとで発展してきたことはよく知られています。しかし,偏西風は,今では国境を越えて様々な汚染物質を運ぶ風となり,国を超えて環境を保全するための研究が求められるようになったのです。また,このようなことがきっかけとなり,新たな視点での研究課題の模索も始まっています。なかでも,黄砂バイオエアロゾル(黄砂と微生物が一体となって大気中を浮遊しているもの)とよばれている大気物質の研究は,従来の大気科学に新風を吹き込むだけでなく,生物・医学から物理・宇宙科学まで広い分野とかかわりのある学術領域です。上空に浮かんでいる黄砂バイオエアロゾルを直接採集しようとする野心的な試みがなされており,世界でも類を見ない「黄砂バイオエアロゾル採集用の気球開発」が進められています。すでに予備的な観測が,タクラマカン砂漠の近くの敦煌や能登半島でおこなわれており,たくさんの大学院生が本格的な観測に向けて活躍しています。